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【ガイアの夜明け】2015年7月7日放送『 食の信頼 回復への道 』その対策とは?

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さて、今回は「【ガイアの夜明け】2015年7月7日放送『 食の信頼 回復への道 』その対策とは?」です。
経済番組として有名な「ガイアの夜明け」を見られなかったアナタに概要をお伝えします。
この記事を読む5分程度で、アナタの「ワクテク☆」は向上します。

今回の主な登場企業

今回は、自社が提供する「食の安全」を脅かす事件・事故にあった2社を中心に展開していきます。

マルハニチロ株式会社

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冷凍食品国内出荷額は、9,837億円(2014年)出典:日本冷凍食品協会となっており、ここ数年は、右肩上がりを続けている市場です。各社が鎬を削る中、ある事件がある企業を襲います。その企業とは、当時、マルハニチロの子会社だった「アクリフーズ」です。群馬工場の生産ラインで従業員が冷凍食品に意図的に農薬を混入させた事件が発覚したです。それにより、群馬工場を操業停止し、アクリフーズはマルハニチロに統合されます。
その後の対策とは?

株式会社物語コーポレーション

hdr_logo丸源ラーメンなど、12の業態を運営する外食チェーン店を展開しています。こちらの会社では、従業員が「厨房内でお客様に提供する食材を口にくわえた写真」をSNSにアップしたため、売上が30%落ちたことがありました。
その後の対策とは?

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各社の起きた問題への対策とは?

マルハニチロ株式会社では…

一昨年の「異物混入事件」は記憶に新しいことだと思います。
犯人は派遣従業員だったのですが、犯行の動機は「待遇への不満」とのこと。
事件の再発を防ぐために講じている対策とは??

徹底した従業員へのチェック体制

事件発覚後、マルハニチロは工場の「衛星などのチェック体制」を強化します。
設備投資は10億円にもおよび、お客様への「食の安心・安全」を提供すべく努力しているとのこと。

紹介されていた主な取り組みは、

① 持参した弁当や飲み物は、食堂などの所定の場所へ置く。工場内へは持ち込めない。
② 製造ラインへ入る前にボディチェックを行う。
③ 各製造ラインへの入退室はICタグで管理されており、不審な入退室がないかを管理者がチェックする。
④ 事件前5台しかなかったカメラが172台に増設された。これにより製造ラインの死角がなくなった。そのすべての映像を商品の保存期限が切れる1年後まで保存される。
⑤ 以前、現場責任者は事務作業のため現場を離れることが多かったが、パソコンなどが生産ライン近くに設置され、気になることがあればすぐに対応できるようになった。
⑥ 人が介入しない製造ライン上では、商品に近づこうとすると赤外線センサーが反応し、警報が鳴る仕組みを導入した。
⑦ 『フードディフェンスチーム』を設立し、1日2回行う巡回で不審な点はないかを確認する。抜き打ちの従業員のロッカーチェックをしたり、バックの中もチェックするようになった。

従業員の不満を解消するための取組

事件は「待遇への不満」が動機だったことが明らかになっているため、「不満のない職場」を作るために個人面談や本社とのやりとりを以前より綿密に行っている。
各製造ラインには教育係を決め、新人には丁寧に指導し、働きやすい職場つくりを目指している。
工場長は「不満が一切ない状態を作ることは難しいが、ひとつずつなくしていきたい」と語っていました。

各対策導入後の効果は?

マルハニチロの営業担当者も、以前のような取引高には戻らずに苦戦しているとのこと。
大手スーパーの「マルエツ」も、取り扱いを再開したが、以前の水準には戻っていない。
マルエツの商品仕入担当者は、こう話していました。
「現段階では、マルハニチロの商品仕入れは以前の半分の水準。しかし、それに代わる商品の売上実績もある。それ以上に売れる確信があれば、入れ替えることは可能だけど…」とのこと。
マルハニチロは、マルエツの責任者を工場へ招待し、改善した群馬工場を案内していました。
マルエツの責任者が気になるのは、やはり「事件後の対策」についてでした。
工場長自ら、マルエツの仕入れ責任者へ現在の対策を丁寧に説明をしていました。
マルエツの責任者は、見学後、「食の安心安全への改善も感じられ、商品自体の品質も悪くない。お客様へ如何にアピールするかが大事だと思う。試食販売の場所を提供するのでお客様へアピールしてはどうか」と語った。
その後、営業担当者は実際に店舗へ出向き、「食の安心・安全」への改善をアピールした。
購入してくれたお客様は「事件は記憶には残っていますけど、子供がおいしそうに食べていたので買ってみました」と購入者は話していた。
営業担当者は「一気にはいかないですけど、一歩一歩ですね」と信頼回復の難しさを話していました。

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株式会社物語コーポレーションでは…

愛知県豊橋市に本社を置く、「丸源ラーメン」を代表とする多業態を運営する会社で、私の近所にも店舗があり利用しています。
こちらの会社では、従業員が「厨房内でお客様に提供する食材を口にくわえた写真」をSNSにアップしたため、売上が30%落ちたことがありました。
このような事故を防ぐための対策とは??

社長「衛生管理・従業員教育には自信を持っていた」

現場では、1時間に1回厨房に音楽が鳴り「従業員が手に触れる部分(冷蔵庫の取って)」に対して、アルコールスプレーを使い念入りに殺菌します。
また、調理用のまな板や包丁も「野菜用」「鶏肉用」「豚肉用」と色分けをし、衛生面への管理体制も万端でした。また、従業員の挨拶なども元気がよく、教育体制も万全かと思われていました。
しかし、「従業員のおふざけSNS投稿」の事故は起きてしまいます。
社長は「えっ!!なんでウチが?」と耳を疑ったそうです。従業員15,000人を抱えていますが、正社員は1,300人程度であり、ほとんどがアルバイト社員です。
そのような中で、原因の根本を探り、対策をすることになります。

従業員へ「誓約書の署名」などの対策は?

そもそもの原因を探り、以下の対策を行っていました。

① 「店内では携帯などを持ち込まない」「SNSへ会社に関わる情報を投稿しない」などを記載した「誓約書」にサインをしてもらう。
②  出勤したら携帯はロッカーにしまう。
③ 「つぶやきに気を付けて!」などののポスターがあちこちに貼り、事の重大さをアピールする。

本社部門での取り組みは?

本社では再発防止の専門部署を1年前に立ち上げました。専門部署にて全国の店舗にアンケートをとり、集計しました。
担当者がその集計結果に目を通し、気になる店舗がありました。
「目標がありますか?」という問いに対して「ナシ」と答えた比率が57%もあった店舗です。
実際にその店舗に行ってみると、

・アルバイトが自主性をもって働けていない。
・正社員に頼っている。

そのような印象を担当者は受けていました。店長は、細かく指示を出すのですが、忙しくなり指示を出せなくなると、すぐに洗い物が溜まったり、床に水がこぼれていても拭かなかったり…
積極的に動こうとしないため、店舗でも特に何も考えず仕事をしてしまうイメージがあった。実際に働いているアルバイトも「アルバイトなので、正直、どこまでやるべきか、やっていいかがわからない」と言っていました。
それを持ち帰った担当者は、早速、改革に乗り出します。それは「アルバイトが店長を目指せるキャリアプラン」です。それまでは、正社員でなければ店長になれず、アルバイトが目標をもって働ける環境でなかったと感じたのです。
社長はそのプランに「OK」をだし、早速、試験導入を始めました。
説明を聞いたアルバイトは「アルバイトだけのお店が出来上がったりするんですね。面白いですね(^^)」と笑顔を見せていました。

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今回の番組内容から読み取れること

マルハニチロの事件の動機は「従業員待遇への不満」、物語コーポレーションの事故は「従業員のおふざけ」により発生しています。両社に共通するのは「従業員とのコミュニケーション不足」ではないかと私は考えます。
従業員待遇への不満についても、会社側が真摯に受け止め、それが「文句」であれば現状を納得させ、それが「意見」であれば前向きに検討することが重要なのです。それをおざなりにし、先延ばしにしていたため、従業員が暴走したのではないかと思います。SNSへのおふざけ投稿も「それによる被害」を伝えることや「働くことの意義」を伝えられていれば、責任感が芽生え、起きなかったのではないかと思います。
従業員を「人財」と表現することがあります。人が人を育て、人が会社を育てます。しかし、人が人である限り、事件・事故が100%なくなることはありません。だからと言って諦めるわけにはいきません。それでも、事件・事故を100%防ぐための努力を行う必要があるのです。
安心・安全は、消費者にとって「当たり前の商品価値」なのですから…

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